衣装パレードがニューヨークで!

更新日:2015/9/16

ニューヨークのエイコーン劇場で『プリンス・オブ・ブロードウェイ』の衣裳パレードが行われました。
いわゆる衣裳合わせで、キャストが衣裳とウィッグをつけて、場面ごとにお披露目。
動き、踊り、全体のバランスを踏まえて、クリエイティブ陣のチェックを受けます。
日本なら大抵、稽古場で行われるもの。
わざわざオフ・ブロードウェイの劇場を貸し切るとは、スケールが違いますね!

衣裳デザイナーはウィリアム・アイビー・ロング。
ブロードウェイ作品を80作近く手がけてきた凄腕デザイナーで、彼の衣裳は「物語を語る」と評されるほどドラマ性に溢れています。
もともと2万着あるハロルド作品の衣裳から『プリンス・オブ・ブロードウェイ』のために厳選、120着をロング流に表現。
云百万円のドレス類もかなりあり、その豪華さにはクラクラします。
名曲、名場面に合わせて、まるで紅白歌合戦のごとく。

席最前列中央にはハロルド・プリンス、共同演出・振付のスーザン・ストローマン、脚本のデヴィッド・トンプソンらがずらり。
かといって張り詰めた空気はなく、とても和やか。
時にはジョークを飛ばしながら、衣裳を細かくチェックします。
衣裳を他の候補に変えたり、眼鏡やショールなど小道具を足したり。
「君はどう?」とハロルドがキャスト本人に意見を聞くことも多く、まさしく共同作業です。

最前列中央にはハロルド・プリンスはじめスタッフ陣

▲写真左から、デヴィッド・トンプソン、ウィリアム・アイビー・ロング、赤い帽子のハロルド・プリンス、後ろの女性はスーザン・ストローマン。

湧いたのがラミン・カリムルーのスーパーマン!
胸筋をピクビク動かすと、「もう一度やって!」と女性キャストから大受け。
筋肉美といえば、他の場面で男性キャストがスーツで決める中、ラミンひとりだけ、なぜか上半身裸にジャケット、首元にスカーフを巻いたお茶目ぶり。
もちろん『オペラ座の怪人』では二枚目に決めて。
彼がエスコートするケイリー・アン・ヴォーヒーズ演じるクリスティーヌのガウンの鮮烈なこと!
ラミンの歴史上のカリスマ人物の扮装も期待大です。

『オペラ座の怪人』ラミン・カリムルーとケイリー・アン・ヴォーヒーズ

▲ラミン・カリムルーとケイリー・アン・ヴォーヒーズ

柚希礼音の『くたばれ!ヤンキース』の野球のユニフォーム姿には、全キャストが「カワイイ!」と絶賛。
『フォーリーズ』では打って変わって超ゴージャスなドレス、他にもクールで都会的なドレスや男前なパンツルックと七変化。
新たな柚希さん像に魅せられること請け合いです。
ダンスシーンが多いため、軽く踊って足を高くあげて…と、必ず動けるかどうか自ら確認。
「Fantastic!」と褒められると照れなのか、まん丸な瞳がクルクル回るのが印象的でした。

『くたばれ!ヤンキース』柚希礼音

▲『くたばれ!ヤンキース』ではキュートなユニフォーム姿の柚希礼音

トニー・ヤズべックは『フォーリーズ』でのタキシード姿がカッコイイと評判に。
彼もダンスシーンが多いので、腕を大きく広げたりと可動域をしっかり確かめていました。
ジョシュ・グリセッティは『キャバレー』のMCでメイク顔を披露。
隙あらばステップを踏むジョシュはとてもキュートで、日本でも人気沸騰しそうな予感です。

『キャバレー』のジョシュ・グリセッティ

▲ハロルド・プリンス直伝のメイクを披露したジョシュ・グリセッティ

女性陣の洗練かつ豪華絢爛なドレスにはうっとりしますが、意外にツボだったのは男女共、群衆などの地味な扮装。
普段、センターに立つスターたちが、アンサンブル的な役目を果たしているのが新鮮で、ご本人たちも楽しそう。

まだまだ内緒の衣裳がずらりと揃います。本番をお楽しみに!

(文=三浦真紀/フリーライター 撮影=Taku)